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映画「シン・ゴジラ」はCOOL JAPAN

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遅ればせながら「シン・ゴジラ」を観たので感想を書きます。

ネタバレもあるので観てない人は読まないでください。

好きな人はごめんなさい。

 

 

まずシンゴジラのヴィジュアルは公開前に解禁しなかった方が絶対によかったです。

そうしたら劇場で観た時にもっと衝撃的だったのに。

「何あの気持ち悪いやつ!?え、あれがああなるの!?てか何このゴジラ!!!???」みたいに。

何故こんなもったいないことをしたのでしょう。

 

全体的な内容としては「もしも庵野監督がゴジラを作ったら」という感じでした。

もしもじゃなくて実際に作ってるわ!ということはわかっているのですが、「いかにも」感がありありという意味です。

とにかく個人の趣向が前面に出ています。

ちゃっかり奥さんも制作に絡ませちゃってね〜。*1

 

やっぱりエヴァっぽいと思いました。

挿入曲もそうなんですよね?セリフでも福音とか言ってましたし。

なんとか作戦とかのネーミングもそうですね。

まあエヴァはちゃんと観たことがないので語れませんが、そもそも映画タイトルからしてかぶっています。

もうエヴァンゲリオンで倒せばいいじゃん(投げやり)

 

そして僕の嫌いな映画ワースト3に入る踊る大捜査線ザ・ムービー」っぽい。

寒いギャグにわかりやすい役人体質の描き方。

どうせなら青島刑事を主人公にして「何で現場に放射能が流れるんだ!」「ゴジラ凍結できました〜!(泣)」って言わせればいいのに。

 

序盤のセリフがみんな早口で展開も早く、着いていくのが大変でした。

その埋め合わせなのか知りませんが、毎回人物の肩書き・場所や何から何まで入る字幕が過剰。

挿入曲もなくして欲しいです。

悲惨な状況に美しい音楽を合わせるのは邦画の悪い癖です。

引き立てるつもりだろうけど受け取り側の解釈を制限しています。

状況(情況)説明が過剰だと観る側の考える力がなくなっちゃうよ。

 って無いから受け入れられているのかもしれませんな・・・。

僕はそれらに違和感を感じて物語の世界に没入することができませんでした。 

これは洋画のポスターが日本版だとごちゃごちゃし過ぎるという問題にも通じています。(断言)

 

東京湾シンゴジラが姿を表す前の異常兆候時にいきなり「巨大生物では?」って根拠もなく言いだすのが疑問。

研究者でもないし前例も言い伝えなどの知識もあったわけではないのに。

尻尾が出た時にはみんな「尻尾だ!」ってなんで尻尾ってわかんの。

全体像分かっていないんだから触手かもしんないでしょ。

エネルギー源に疑問が向いた時は「まさか核分裂?」ってだから根拠は?

「本当に恐ろしいのは我々人間かもしれませんね」って・・それ言っちゃう?

やっぱりちゃんと言っておかないと気付かない人多いと思ったの?

それともあえて最初に言っておく作戦?

「まさかそんな誰でも考えつくことがゴールだと思うなよ?」みたいにその先の深さアピール?

全然深くなかったし、謎とも呼べない単に意味不明な部分を残して観客に考えさせるみたいな手法はいい加減やめてほしい。

 

登場人物にもかなり問題あったと思います。

まず主役の人。

自分は安全な場所にいて命令出すだけの奴が共感得られるの?

死んだら「くっ」って顔背けるだけみたいな。

そんなんで映画の主役になれるかよ。

(なってるし大人気です)

 

竹之内豊のキャラブレすぎ。

初めは自己保身だけのキャリア官僚かと思ったら、国を想っての苦渋の選択を受け入れた葛藤を出してくるし。

なのに最後は総理の好きにしたらいいと言ってしまう。

最後は急に器の大きい人間味あるキャラになったけど、成り行きで首相になった人に国の命運任せんなや。

 

石原さとみはかわいいです。

それはいいんですがキャラが合わない。

彼女にはスノッブな帰国子女が似合わない。*2

典型的なバイリンガルキャラがもはやコントかと思ったよね。

イラッとさせるキャラのせいでかわいさも半減。

かといってあの言葉遣いでは知的さも感じられない。

あれは「日本人」がイメージするステレオタイプ的な「ハーフ」像でありそこから垣間見える島国根性はもはや下品にすら思えます。

 

内閣危機管理監役の渡辺哲さんはシンゴジラに似てる(笑)

 

あと日本の映画ってCGのレベルが悲しくなりますね。

何年経っても進化しているように思えない。

もういっその事アニメにしちゃえよ。

現実と虚構の見分けがつかないようなアニメを目指した方がいいですよ。

それなら向いていると思いますしすごい物が創れるのではないでしょうか。

エヴァではそれが少しできていたはずです。(絵柄とかじゃなくて) 

ゴジラのスケール感の表現もできていなかったと思います。

吠えるときのプルプル感なんなの。

あの小刻みに見える幅が縮尺的に何メートルあるのか考えればあの小刻みな動きは不自然。

ゴジラのアップを映す時、下から舐めるようなカメラワークがあったのですがそれも早すぎ。

ヘリコプターで実際に百メートル上昇するようにもっとゆっくり全体を追った方が巨大な感じが出ると思います。

アメリカの「ゴジラ(2014)」で兵隊がパラシュート降下をしている途中にゴジラが映る表現の方が断然カッコよかったです。

尻尾の振り方、背びれの光り方どれを取ってもギャレゴジに負けてました。

 

あまりにツッコミどころ多過ぎて序盤でもう帰ろうかと思うほどでしたが途中で見方を変えて、ゴジラは「東京に大震災が起きたら」という例えだと思って観ました。

すると後手後手の政府対応は悲しいかなリアルだし、地下鉄に人が殺到して電気が消えた時は実際そうなるんだろうなと恐ろしく感じました。

というわけで大規模災害への啓蒙作品としてはよかったと思います。 

首都機能移転と人口は分散させたほうがいいですよね〜。

僕も東京在住ですが。

 

そもそもゴジラが出てきた意味があまりわかりませんね。

発生した過程も謎ですし。

普通敵に囲まれている中で寝る?

人間を脅威と思っていないくらいの強さだから?

でもアメリカ軍のミサイル効いてたよね。

ゴジラそこだけアホなの?

何よりストーリーに重さがない。

どうせなら福島原発の燃料棒が地下に届いてそこにいた生物に影響を与えたということにすればよかったのに。

そうして福島を見て見ぬ振りをしている僕たちが気まずい思いをすればいいんだよ。

なのに他国の核ゴミ投棄のせい。

アメリカはまた無慈悲な攻撃をしようとしている加害者みたいな描き方はこれまでの歴史を反省していない証拠なのではないでしょうか。

広島の原爆投下後の写真をその場に何の繋がりもないのに入れてしまうあたりの演出は酷かったです。

 

倒す時はちょっと痛快ではありましたね。

ビルを爆破したり電車爆弾を使ったり。

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初代ゴジラでは電車に襲いかかっていましたが、今回は電車で攻撃するという逆転劇がありました。

でも転ばして薬飲ませるって作戦ダサくない?

それに転ばせたところで体内に液体って流しこめるものなのだろうか。

喉締めたら終わりじゃん。

てか倒れてきたビルで動けなくなるとか、街の中で眠るってのはギャレゴジのパクリだよね?

まあどうでもよくなっていたので細かい事は別にいいんですけど。

 

結局「日本もやる時はやるんだぜ!COOL JAPAN!」みたいな映画だったと思います。

現在の日本を的確に表してしまっている作品なのだと思いました。

つまりこれが日本という国の全体的なレベルということです。

作中で日本は何度も焼け野原から立ち上がった的なことを言っていましたが、破滅寸前まで行動しない性格だということです。

神風特攻もあったし進歩なさすぎ。

事後に何かを得たとしても払う犠牲が大きすぎると思う。

もっと早く考えて行動できるようにしないとね。 

 

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自分でも何言ってるか分からなくなってきたので、映画を観た帰りに買ったガルボを食べながら石原さとみさんのことを想う事で気持ちをなだめるしかありませんでした。

スタウトビールと合うな〜。

 

好きな映画が面白くなかったとはいえ「フォースの覚醒」で耐性がついていたのでそんなにショックではありませんでした。

まああれも含め世間ではほとんど好評だということなので、普段は自分の意見は封印することにしておきます。

 

追記

結局平成ガメラのパクリでした。 

キャラはガメラとギャオス足してストーリーもパクリ。

いやーひどい。

 

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*1:批判ではありません。クリエイター同士ですし。

*2:日本という国に謎に心を寄せていたのであえて「帰国子女」