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今を生きる

アドバイスは何のためにするのか

togetter.com

社会人なりたての娘は帰ってくるとその日にあったことなどを私に話す。私はうんうんと聞いてる。そこにたまたま夫が帰宅して私たちの会話が聞こえると要らないアドバイスをしてくる。娘は嫌な顔をしていなくなる。話を聞いて欲しいだけだって娘が中学のころから何回も言ってるのに。アドバイスとか求めてないのよ。求めてる時はそう言うから。夫が会話に入ってくると空気が悪くなる。

娘さんにアドバイスをする旦那さんとそれを止めた方がいいと考える奥さんのツイート。

 

これはどの視点で話をするかによって変わってくると思います。

例えば一般論で話そうと思えば「男女差」で語ることもできると思います。

よく言われる「男性は解決を求め、女性は共感を求める」というやつです。

その視点で話そうとすると、男性は問題を解決しようとしているのに女性は態度を改めようとせずそれを放置して愚痴るだけ。愚痴を聞かされる身にもなって欲しい。という風に女性に対し批判的に話すこともできると思います。実際にブコメにもいくつかこういった意見がありました。

しかしこれは一般論という視点をずらした、外野が「話のネタ」で消費するものでしかありません。

まず問題の数の捉え方にズレがあります。

問題の数で言えば嫌な出来事があったのが一番目で、それに対して嫌な気持ちになったのが二番目です。

実は問題は二つあるのです。そのどちらかにフォーカスするかという点で既にズレが生じていたのですね。

時系列で言えば嫌な気持ちを持ったことが最新の問題なのでまずはそこからケアする必要があります。

じゃあ一番目の発端となる問題は放っておくのかという点については問題の本質を理解する必要があります。

この問題の本質は何なのでしょうか。この問題はどこで起きているのでしょうか。

それは夫婦間であり、親子間のものである「家族の問題」なのです。

その当事者としての視点でいくと重要なのは家族としての幸せになってくるのではないでしょうか。

その視点で捉えるならば、娘さんが嫌な気持ちになってしまうことが重要な問題であり、旦那さんはその発生点でもあります。

これは前述の一般論から照らし合わせると矛盾すら生まれます。

問題を解決するつもりのアドバイスが別の問題を生み出しており、しかも何回も言っているのに止めない、態度を改めようともせず続けてしまう。

奥さんの発言である「話を聞いて欲しいだけだ」というのは娘さんの気持ちを宥めるための方法、つまりアドバイスなのです。

実際には奥さんがアドバイスをしており、旦那さんはそれを聞き入れず問題を生み出しているという一般論からすると男女逆の行動であり、批判されるべきケースになるのです。

娘さんは外で悩むようなことが起きて、安心できる家へ帰って来る。そこで守ってくれる、味方になってくれるはずの親に打ち明けたらアドバイスを受けるということで自分が否定されたような気分になり、失望してしまうのです。

それが「嫌な顔」の正体です。

これだから女はとかを外野が言うような問題ではなく、家族としての幸せを考えるのならば奥さんのアドバイス通り娘さんの話をしっかり聞いて感情を受け止め、慰めることが初めに取るべき最善の行動でしょう。

 

娘さんが同じことで悩み、何度も同じことを言ってくるのならばそれはまた別の話ですが、その際も娘さんの気持ちを受け止め実行可能な方法を提案することが本当のアドバイスかと思います。

その時は何らかの支援も必要になってくるでしょう。アドバイス、発言には責任も必要になると思います。

その責任のない表面的で本質から逸れた議論は何の意味もないのです。

S N Sでの外野の発言はその最たるものでしょう。

まあこれはブーメランでもあるので、外野としてはこのご家族が幸せに過ごせることを願うだけです。