「もののけ姫」(1997年公開)
宮崎駿監督作品の「もののけ姫」は未だにテレビでも定期的に放映されています。
公開から約20年も経っていますが変わらず人々を魅了し続けているという証拠です。
(もう20年に驚愕・・・。)
制作も昔で作品の舞台は遥か遠い過去であるにも関わらず今なお色褪せないのは、この作品には普遍性があるからでしょう。
ところでたまに「人生に影響を与えた映画」という記事を目にします。
子どもの頃はジブリ映画ばかり見ていました。 となりのトトロ、ナウシカ、天空の城ラピュタ、魔女の宅急便、もののけ姫などが私が生まれた頃や子供の頃に上映されたものです。 毎日朝に1本は見ていて、やさしい心がほっこりするストーリーや久石譲のジブリ音楽、アニメの色とか世界観とかすべてにものすごい影響されていて、こんな人生が過ごしたいという基準になっています。 今はハウルの動く城に出てくる丘にある魔女の宅急便のキキの実家で、借りぐらしのアリエッティや思い出のマーニーのお部屋のインテリアのような家に住んでいて、ジブリキャラクターものに囲まれて暮らしています。
こういった感想を書く人のほとんどが単に観た回数、買い集めたグッズの数を愛を計っている根拠にしていると思います。
それは単なる趣味の問題でしかなく、人生に影響を与えたというのは言い過ぎなのではないでしょうか。
「人生に影響を受ける」とは考え方が変わり、生き方が変わるということだと僕は考えます。
「もののけ姫」を今の社会状況に当てはめるとしたら沖縄の米軍基地問題がぴったりなのではないかと思います。
欲望、怒り、差別、鉄の文化、戦争、自然破壊。
この映画の中で描かれていたことが沖縄の高江では今そっくりそのまま再現されています。
ジブリ作品が大好きな人たちが多いこの国でなぜ問題は放置され基地建設へと着実に近づいていっているのだろうかと僕は疑問に感じました。
その点からやはりジブリ作品はあまり日本人の人生には影響を与えていないということがわかります。
宮崎駿監督が多くの作品の中で提起していたことに通じるような問題で、物語とは逆の選択肢を現実で選んでいる現状からするとジブリ作品はただの暇つぶしのために消費されているに過ぎないと言えるでしょう。
単なる空想、理想論を描いた娯楽でしかなく、現実の人生に影響はないということを多くの人々は示していると思います。
しかしそれすらジブリ作品は織り込み済みなのかもしれません。
上に「普遍性がある」と書きましたが、それは人間の世はいつでも同じような問題を抱えているということです。
はるか昔から続く人間の性質を描いているからこそジブリ作品は共感を生むのです。
そしてその性質があるが故に問題はこれからも続くのです。
僕たちはサンやアシタカの気高さに感動しながら、ジコ坊や朝廷のような振る舞いしかできないのです。
なんとも皮肉ではありませんか。
作品から学んだことを現実社会に照らし合わせて考え、生き方を選択する指針にするというくらいの気持ちでもう一度向かい合ってみてはどうでしょう。
曇りなき眼でこの時代を見定め、少しでも変えたいという人は何か行動してみませんか?
「やんばるを守る」未来につながるたたかい | 国際環境NGOグリーンピース
基地を作らなくても中国は攻めてきません。