ドイツのフォルクスワーゲン社が排ガス不正ソフト使用問題で大変な事になっているようです。
ドイツは環境技術や企業の誠実さで世界的な評価を得ていたのでとても驚きました。
しかし以前に目にした記事でも意外に思った事があります。
それはドイツの食糧廃棄が非常に多いということでした。
この事実は本当に意外でした。
もともとドイツは環境保護活動に国をあげて積極的で、国民も生活の中で普段から意識が高いイメージが日本では大きかったからです。
僕もメディアではその事についてよく目にしていましたし、実体験として認識した(と思った)事があります。
以前ドイツ人の友人に「ドイツってエコロジーで有名だよね」って話をしたら、その友人に「人間が作るもので環境に優しい物なんてないよ」と返されました。
それは逆説的にドイツ人の環境への意識の高さが感じられる言葉だと思ったので、やはり国として環境への配慮が身に付いているんだな。という印象を受けたからです。(サンプル数少な!)
友人の言う通り人間が作った物で、環境に優しいなんていう物はありません。
そもそも車である時点で環境には大きな負担になります。
そして部品が多いということは生産にかかるエネルギーも多いということになります。
バッテリーに使用されるレアメタルは採掘によるエネルギー消費増、土壌汚染を引き起こします。
という事で実はガソリン車よりも環境への負荷が大きいのです。
ちなみにこういったエコロジーなイメージを強調して実態の伴わない企業活動を「グリーンウォッシュ」と言います。
そういった事を理解しているドイツの環境意識の高さのイメージと、今回の不正ソフト問題のギャップを意外に思いながらもふと脳裏によみがえったのが、学生の頃に酸性雨について教科書に載っていた事例がドイツのシュヴァルツヴァルトだったという事でした。
ドイツは世界有数の工業国として登り詰めるまでに、環境を大きく破壊してきたのでしょう。
そしてその結果として環境汚染が大きな反動として返ってきたために環境保護活動をせざるを得なくなっただけなのではないでしょうか。
つまり現在の環境に配慮する姿勢は、本質的には工業国という反自然的な性質の裏返しであるということです。
そう考えれば不正ソフトの使用に至ったことが理解できるような気がします。
ところで日本ではエコと言われれば、これまで疑うことをしなかったように思います。
権威に弱く与えられた情報を鵜呑みにしてしまう傾向があるせいかもしれません。