最近社会問題になることを見聞きするにつけ、以前目にした宮崎駿さんの未来予想図が的中しており、まるで予言のようだと思えるようになりました。
宮崎駿が描いた原発メルトダウン後の世界 - On Your Mark 15年前の宮崎駿インタビュー記事 てんさい(い)
何にもなくなると、ただのアナーキーになっていって、のたれ死にが始まるんです。そういうものを紛らわしてくれるのは、 「ドラッグ」や「プロスポーツ」や「宗教」でしょう? それが蔓延していく。
これからの時代は「ドラッグ」「プロスポーツ」「宗教」が蔓延していくとのこと。
僕はプロスポーツはほとんど無駄だと思っているのですが、その経済規模はどんどん拡大しているようです。
麻薬については世界的に大麻解禁の動きが活発で、日本でも使用者が増え摘発者が続出しています。
プロスポーツもドラッグも肝心なことから目を背けるための手段になっています。
しかしどちらも拡大しているということは、そこに気づいている人が少ないことを表しています。
特にアメリカでは大麻解禁が顕著で、合法になる(なりそうな)州が増えつつあります。
しかし合法になった州であっても公務員の使用は禁止されているそうです。
それは税収を増大させながらも民衆の不満を大麻という娯楽によって和らげ、富める者はさらに富み、貧しい者はさらに貧しくという格差社会を固定しておくための衆愚政策であるという意見がありました。
これが肝心なことから目を背けるということです。
刹那的な感覚の充足感に満足してしまい、いつまでも地べたに這いつくばるような生き方になってしまうのです。
しかし人々はそれに気付いてはいない。
いえ、薄々勘付いているからこそ立ち向かうことの難しさ、無力感から目を背けるために自ら求めているのかもしれません。
(ただ合衆国としての整合性を保つために、国に仕える公務員は使用禁止というのはリーズナブルな気もします)
宗教については先進国では無神論者が増えているものの世界的に見るとイスラム教徒の人口が増加しているそうです。
イデオロギーの両極化により対立がさらに加速するのではないかと心配になります。
僕が子供の頃に石油は後40年で無くなるという話を聞いたことがありますが、その時にふと思ったのが「石油で儲かっている国はその時どうなるんだろう」ということでした。
現在はまだ豊かで納税の義務すらない国がありますが、石油が枯渇したり代替エネルギーが開発されたらどうなるでしょうか。
その時に備えて教育や投資に力を入れているという話を聞いたこともありますが、それでも今よりは貧しくなるでしょう。
そうなると平和だった石油産出国でも争いが増え、イスラム過激派の活動を活発化させ世界全体に波及する恐れもあるのではないでしょうか。
中東はこれからも世界平和において不安材料と言えるかもしれません。
放射能についても言及されています。
地上には放射能があふれていて、もう人間が住めなくなっている。でも緑はあふれていて、ちょうどチェルノブイリの周囲がそうだったようにね。自然のサンクチュアリ(聖地)と、化している。で、人間は地下に都市を作って住んでいる。実際はそんな風には住めなくて、地上で病気になりながら住むことになると思いますが。
ってこれ福島の事になりそうじゃん・・・。
この予言を日本は深刻に受け止めなくてはなりません。
自然のサンクチュアリ(聖地)
福島沖では漁がしばらく中断されていたおかげで魚の量が著しく回復したそうです。
街中ではアスファルトを草木がはがすように生い茂り緑の場所が増えています。
一見豊かさを取り戻したように思えますが、
地上で病気になりながら住むことになる
福島在住の子供の甲状腺癌が増加しているとのことなのでこの点も合致しています。
検査が増えたから発見数も増えただけという説もありますが、将来世代を重ねていくとどうなるのかはまだわかりません。
しかも未だ事故の真っ最中なのに国は避難民に地元への帰還を促しています。
宮崎監督はその持論を反映して原発事故後の世界を描いたアニメを制作しています。
CHAGE&ASKAの楽曲"On Your Mark"のためのPVとして1995年に作られたものです。
この作中で原発事故、宗教と国家の対立を言い当ててますね。
そしてついでにドラッグの事も・・・。
何とも悲しい結果になってしまいました。
とても美しい曲なのに残念です。
そして世界がこのままの方向に突き進んでしまわないかが心配です。
「風の谷のナウシカ」もそのような世界観を基に描かれています。
映画も素晴らしいですが漫画はさらに深いので読んだことのない方は是非どうぞ。
衝撃を受けること間違い無し。
ワイド判 風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット 「トルメキア戦役バージョン」 (アニメージュ・コミックス・ワイド版)
- 作者: 宮崎駿
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2003/10/31
- メディア: コミック
- 購入: 92人 クリック: 775回
- この商品を含むブログ (345件) を見る