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今を生きる

「画鬼・暁斎ーKYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」展

三菱一号美術館で河鍋暁斎の作品展を観てきました。

 

画鬼暁斎 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル|三菱一号館美術館

 

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写真を撮りましたが肝心の建物が見えませんね。。レンガ造りの趣ある洋館でした。

 

 

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前期も行きたかったけどうだうだしている内にもう後期になっていました。しかも残り後2週間。
 
 
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順路の途中にある写真撮影コーナー。でっかい化け猫です。妖怪だけどかわいい^^
人がいないとスケール感がわかりませんね。画中の人間が実物サイズくらいになってます。もし行かれた方はぜひ驚きのリアクションポーズで撮影して下さい!
 
肝心の内容ですが序盤は弟子であったコンドルの作品が展示されていました。
ジョサイア・コンドルは建築家として来日。かの有名な鹿鳴館を設計した方です。この三菱一号館も設計したとのことで、彼の作品である一号館で師弟の絵画作品が揃って鑑賞できるというのは貴重な経験です。
 
 暁斎は江戸時代末期から幕末にかけて大変人気があったそうなのですが、多作で多ジャンルに渡る制作活動が裏目となってその後専門家からの評価を得られず名声はいつしか陰っていくこととなりました。
つまり多才過ぎて理解されなかったのですね。

 

その無理解は残念ながら今回の展示にも現れていました。

各時代の作品を少しずつ選んでしまった結果とても中途半端な世界観となり彼の全体像を推し量ることは到底出来ず深みの無い展示となっていました。

ただ暁斎の場合は本当に多作過ぎてどこか一部に焦点をあてて深く掘り下げる展示を何度も行わねばならないのです。そのため限られたスペース、期間では仕方のないことではあります。

 

今回の焦点はタイトルからもわかる通り弟子コンドルです。

「才能ある西洋人が弟子入りしたほどの人物」という非常に屈折した視点で暁斎を表そうとしていたように感じます。

他にも「英国人が愛した暁斎作品」というコーナーがあってメトロポリタン美術館収蔵作品もありました。日本でも初公開だったのでそれが観れたという点はよかったです。

ですがやはりどうしても海外の評価を得た後に日本でもてはやすという風潮に思えてしかたありませんでした。

"COOL JAPAN"に通じるものですね。僕はそういう見方が大嫌いです。

今回「狂ってたのは俺か、時代か?」というキャッチコピーが使われていましたが、おかしかったのは時代でありそれは今でも変わっていないのだと感じました。

 ちなみに春画も少しだけありました。

それもやはり海外の春画展の成功と美術としての評価を得た結果であると思います。ただ暁斎春画を観たのは初めてだったのでいい機会でした。

怪我の功名ですね。(春画についてもうちょっと感想あったけど恥ずかしいのでやめときます笑)

 

というわけで一番狂っていたのは僕の見方であり、作品は良い物だったので皆さまもぜひ足をお運びください(←無茶な挽回)

 

 

一番のおすすめは「河鍋暁斎記念美術館」ですけどね!

kyosai-museum.jp