昨年、日本赤十字が献血を呼びかけるために「宇崎ちゃん」というキャラクターのポスターを作成したところ、女性差別ではないかということで炎上しました。
炎上なんてよくあるし、すぐ収まるよね〜。なんて軽く考えていたら未だに論争が続いています。
たかがポスターなのにこれは珍しい。
その理由を考えてみましたが、このたかがポスターの中にいくつもの要素が絡まり合っているせいで、論点が人によって変わってしまうため結論が出ないからなのではないでしょうか。
女性差別、表現規制、オタク差別、フェミニズムとそれらに対する反発。
多くの人が違う視点で違う意見をぶつけ合うせいで話がかみ合わないんでしょうね。
ところでこのポスターに対する嫌悪の根源は何なのでしょうか?
それは「人前で性欲を出すのはみっともない」ということだと思います。
欲をあらわにすることは文化的、理性的な人々にとっては恥ずべき行為です。
その中でも特に性欲は秘めるべき欲求と言えるでしょう。
聖書ではアダムとイブが知識の実を食べ、裸でいることに恥じらいを覚えたことが神の怒りに触れてしまったとされています。
つまり性に対するタブー視は人間の根源的な欲望に対する一階層上の拒否反応なのです。
その公衆では敬遠されるべき性欲がこのポスターから感じ取れてしまうことが第一の反発を生んだのでしょう。
このイラストを見た男の人がムフフ(古い)と思うんだろうな〜と感じさせてしまうところが嫌悪感の発生点となるということです。
そこからスタートしておきながらも、そこに気づいている人は少ないため各々が自分の「お気持ち」を言語化しようとそれぞれの色付けをしてしまいかみ合わなくなっている。というのがこの問題の流れでしょう。
今後はそのポイントも考慮してしておけば公共の空間にふさわしいかどうかの判断もしやすくなるはずです。