ブルース・ウィリス、モス・デフの共演作「16ブロック」を観ました。
ニューヨーク市警の刑事ジャックに課せられた任務は、16ブロック(区画)先の裁判所に証人を送り届けるだけのごく簡単なもの。だが、護送中、何者かに襲撃されてしまう。その証人が警察内部の不正を目撃していたのだ。法廷での証言開始まで残された時間は118分。不運にも警察を敵に回し、ジャックの人生で最も険しく、長い、わずか16ブロック先への<護送>が始まった・・・。
ブルース・ウィリスがくたびれた警官役なのですが、彼は日常がうまくいかない人の役がはまりますね。
大体奥さんに嫌われてる(笑)
囚人役のモス・デフの鼻にかかったような声は能天気なキャラクターにぴったりでした。
ちなみにモス・デフはラッパーとしても有名です。
二人と追跡者が知恵比べをしながら街を駆け回る場面はスリリングでした。
最後も他の映画だと描かれなかったりするエピソードがしっかりとあってしみじみとさせられる作品だと思います。
人間は変われるんだということを肯定的に描いており、観てよかった作品でした。
しかしこの映画を「今」観ていて思ったことが、犯行の現場や重要な発言はフェイスブック等のSNSに動画をアップすることによってすぐに明るみに出すことができるのではないだろうかということです。
作中では携帯電話がまだ折りたたみ式のフィーチャーフォンだったのでこの映画は成り立ったと思います。
技術の進歩は本当に早くて今ではもうこの映画作れないな〜と関係ないところを考えてしまいました。
そして近年実際に警官が黒人を射殺する映像が何度も出回っています。
アメリカでは白人警官対黒人の構図はよくあることであり、警官不信がこの映画に反映されてリアリティをもたらしていたのでしょう。
アメリカに住んでいてこの映画を観るのと日本で観るのとでは重みが違うのだと思います。
しかも現実では映画とは違い黒人は簡単に命を奪われてしまいます。
ハッピーエンドは映画の中だけで現実はもっと残酷でしかないのかと思ってしまいそうになります。
犠牲になってしまった人たちの最後の姿はこれからの社会にどんな変化をもたらすのでしょうか。